”リウーが気づいたのは、グランがコタールのことをいうとき、いつも「絶望に駆られたあの人」ということであった。”(新潮文庫 改版 49頁: 宮崎嶺雄訳)
物語最終盤、コタールが「そりゃないだろう」という対象を撃って、警官隊相手に立てこもる。その顛末を見ていたタルー(主人公格の医師)が、凄くつらい気持ちになる。さしあたりは、グランの最初期の人物評価が命脈を保っていたな、という。
しかし、この記録たるや、かまえて些末時ばかりをとりあげる方針に従ったと思われる、きわめて特殊な記録である。
上の一文は、副主人公格のタルーという男が残した記録について、言及したもの。
タルーとリウーが海水浴に行くシーンは名場面なのだが、残念なことにかなり後ろの方にある。陰々滅々とした地味な物語を通過したボーナスステージ的な位置づけでしょうか。アポロ&ロッキーの友情に若干の共通項あるか。
0 件のコメント:
コメントを投稿