第二は、第一の条件とちょうど裏表をなすといえるが、世界視線から遮断された高層ビルの屋内の階(フロア)の内部光景や、アーケード街を映写するとき、かならず閉じられた空間をつくって、そのなかで人物の所作やセット装置の動きや、じっさいの階の実景を映写することだ。いいかえれば地面から上にむかう逆世界視線が、天空まで開かれてしまうのをかならず避けている。
この世界視線をめぐる像(イメージ)については、すぐにわかるようにひとつの公理が成り立つ。それは世界視線が加担した映像の次元は一次元だけ逓減され、世界視線を遮断した映像は一次元だけ逓増される、ということだ。(後略)
(吉本隆明『ハイ・イメージ論Ⅰ』「映像都市論」 ちくま文庫、2003年 単行本初出:1989年)
0 件のコメント:
コメントを投稿