年だけとった凡庸な将軍たちの期待に、レビルは苦笑するしかない。
「戦場で、異常に強い能力をみせる兵がいるのは珍しいことではない。わたしは、ニュータイプというのは、戦争をしないですむ人類のことだと思っている……頭痛かな……?」
(……)
心配することを仕事と勘違いしている将軍のひとりは、てきぱきと若い兵に指示をだす。
物事の骨幹(こっかん)を洞察しようとする意思をもった老人は、その頭痛がいつものものとちがうと直感する。
(中略)
甘美で楽な想像だったが、それでは、なにも起こりようがない。
人知れず死ぬのは寂しい、と予感する。
(富野由悠季『密会 アムロとララァ』 角川文庫 2000年 :初出 1997年 角川mini文庫)
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