2012年6月2日土曜日

批評の備忘録:高慢と偏見篇

「吉本氏が、おぼつかない手つきでコミックやミステリを論じようとするところで、なんだか僕は、見てはいけない光景を見てしまったように感じました。『取材』や『勉強』で、新時代のカルチャーを語ることはできない。無理をしたって、当事者の失笑をかうことにしかならない。これが『マス・イメージ論』がもたらした最大の教訓でした。世代を超えて語ることが可能なのは、たとえば蓮實重彦の場合に映画であるような領域でしょう。(中略)子供の時から、馬鹿にならない量のヒマとカネとアタマを費やしてきた趣味の領域が、誰にもある。」(笠井潔)


(東浩紀・笠井潔『動物化する世界の中で ―全共闘以後の日本、ポストモダン以降の批評』)

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