順位は向後、可変です。
1位 杉作J太郎『応答せよ巨大ロボット、ジェノバ』
何とか2010年のうちに読めた。ほんとはこのままロフトプラスワンに直行したいけれど、体調を考えて自重。小説に限らず、本を読んでいて涙が流れたのははじめてかもしれない。鳥肌が立ったり、呼吸が乱れたことはあったけれど。今年読んだ現代日本小説では、これか高橋源一郎『「悪」と戦う』がベスト1。
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2位 高橋源一郎『「悪」と戦う』
度肝を抜かれる。あと9回読む。『九十九十九』に敬意を表して。今年度読んだ小説ナンバーワン候補。対抗は杉作J太郎『応答せよ、巨大ロボットジェノバ』、これから読む。
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3位 郁達夫「春風沈酔の夜」「過去」
郁達夫(ユウ・ダーフ)「春風沈酔の夜」を読む。名篇。繰り返し、読もう。ロウ・イエ『スプリング・フィーバー』の下敷きとなっている(らしい)小説。
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「春風沈酔の夜」「過去」を読む。特に初読の「過去」が傑作で驚いた。前者は、25日から渋谷アップリンクXで公開の『スプリング・フィーバー』の原作、というか重要な使われ方をしている。渋谷付近に住んでいる人には映画も合わせてお勧めします。郁の残る一篇、「わが夢わが青春」はいずれ読むつもり。とにかく郁達夫は相当の作家だ。
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4位 夏目漱石『坊っちゃん』と『坊っちゃん―BOTCHAN』(講談社英語文庫)
いい。
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はじめて、小説を英語で読んだ。訳はあまりよいとも思わなかったが、やはり意味の受け取り方がぜんぜん違う感じになるんですね。ほかにも読みやすいものから、ぼちぼち英語で読んでいこう。
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5位 カミュ『ペスト』 (新潮文庫)
いまの日本でこそ読まれるべき名作だと思った。深い。
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6位 ドストエフスキー『罪と罰』(新潮文庫)
三度目くらいの再読。こんなにとてつもない小説だったとは……。完成度は低いが、いやはや、とにかくすごい。自分はある仮説を立ててこの小説を読み始めたが、それを軽く凌駕している。とにかく、ただひたすらに、すごい。そしてソーニャの登場を待ち焦がれている自分に気づく。
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ソーニャとラスコーリニコフ、双方別のベクトルで自分を損なっていることに気づいた。能動と受動。スヴィドリガイロフ、好きだ。はじめて読んだ時、あの「うす笑い」から、頼むから死なないでくれ、と祈りながら読んだことを覚えている。エピローグもすばらしい。小林はじめ、批評を読み漁ろう。
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7位 山田正紀『神狩り』
著者のデビュー作。74年発表だったかな。時代精神をよくあらわしている。いや、それ以上。欠点はもろもろあるが、それは余り問題ではない。
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8位 ブルガーコフ『巨匠とマルガリータ』 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-5)
漸く読了。後半は一気に読んだ。終わり方、独特だが十全には分からず。
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9位 ECD『失点・イン・ザ・パーク』
ECDは天才肌だとおもっていたが。この知性。にがみ。そして純情。
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10位 サン=テグジュペリ・辛酸なめ子『「新」訳 星の王子さま』
傑作。岩波版等、色々読み比べてみよう。風刺(アイロニー)と愛。
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ほか、入りきらなかったもの
東野幸治『泥の家族』 (幻冬舎よしもと文庫)
へったくそだが、一見芸人の片手間に書いた小説だが、得体が知れない。
ダンテ『神曲 天国篇』(河出文庫)
余りうまくは読めなかった。ダンテが最後に見たものに驚愕。
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スウィフト『ガリヴァ旅行記』(新潮文庫)
第一篇だけ読んだ。漱石好きな人には推します。これを読んだあとだと、『坊っちゃん』が違って見えるな。しっかし、モノが違いますね。恐れ入りました。(家畜人)ヤフーやラピュタの元ネタなのかな。
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ほかに「雅歌」、ドストエフスキー『未成年』、橋本治「リア家の人々」、イプセン『人形の家』、川端康成『山の音』、山崎ナオコーラ『人のセックスを笑うな』、上遠野浩平『冥王と獣のダンス』、岡田利規『わたしたちに許された特別な時間の終わり』、中里介山『大菩薩峠』1巻、京極夏彦『姑獲鳥の夏』
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