でも僕は、逆をやった。一生懸命、死体を引き取ってました。だって、死体を引き取っておかないと、解剖学の教室がそもそも成り立たない。
(中略)
学者の世界では、独創的な論文を書いてノーベル賞をもらうのが理想です。それに対して、「そういう科学だって、死体の引き取りみたいな下働きがあって成り立っているじゃないか」というのは当たり前のまっとうな話なんですが、学者の世界では非常識なわけです。(…)口にするわけにはいかない。それでも僕には自分の考えがある。もう黙ってやるしかないんですよ。
(養老×スマナサーラ『希望のしくみ』「誰が死体を引き取るか」)
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