2010年12月12日日曜日

『寄生獣』についての覚書01──ガンダム→ジョジョ・寄生獣という系譜(2010.12.12)

岩明均『寄生獣』についての覚書。

乱暴に言うと、ほぼ同時期に連載をスタートした岩明均『寄生獣』と、荒木飛呂彦『ジョジョの奇妙な冒険』は、富野由悠季『ガンダム』劇場版三部作(及び『イデオン』劇場版)の流れを受け継いでいる。
もちろん両者、当然、物凄く色々吸収しているだろうけれど。
言いたいことは、作品同士の影響関係でなく、
そこで扱われているモチーフが今の日本でまだまだ有効であり、考察に値する、ということだ。

受け継がれている、重要なモチーフはさしあたり以下の二つ。
1.胴体と「首」
2.(自律性を持つ)「手」

以下、メモ程度に、自分の知っている範囲で、関連があると思われる作品を記します。

(『神曲』の、自分の生首を手に持つ男:このうえなくおぞましいものとして形容されている:14世紀初頭、イタリア──これはちょっと苦しいかな?)
(『赤と黒』ラストシーン:1830年、フランス)
──『デビルマン』(漫画:1972年、日本)
──『ガンダム』(ジオングヘッドと、頭部を破壊されたガンダムの相討ち、『イデオン』)(ともに劇場版:1979~1981年辺り、日本)
──『ジョジョの奇妙な冒険』(第一部、第二部):1987~1989年、日本
──『寄生獣』1988~1995年、日本
──(『もののけ姫』1997年)、日本
──(『闇金ウシジマくん』「フーゾクくん編」)

『寄生獣』は、文学だと阿部和重『シンセミア』、村上春樹『海辺のカフカ』(ともに日本)、
映画ならば現在、日本で公開中のロウ・イエ『スプリング・フィーバー』といった重要な作品がオマージュを捧げている。(ここに、タランティーノ『キル・ビル』が加わるかもしれない。)

参考までに、『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズと、『寄生獣』の連載期間は以下の通りです。

『寄生獣』連載時期:
講談社・モーニングオープン増刊にF号(1988年)からH号(1989年)、月刊アフタヌーンに1990年1月号から1995年2月号にかけて連載
(要確認、また、F号、H号の発刊月について要調査)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AF%84%E7%94%9F%E7%8D%A3
 
『ジョジョの奇妙な冒険』連載時期:
「ジョジョ百科事典~資料室~」より引用
http://www.remus.dti.ne.jp/~atsu-c/Library/bnumber.html

第1部 ファントム ブラッド
巻数 : 1~5巻(計5巻)
連載期間 : 週刊少年ジャンプ 1987年1/2~46号

第2部 戦闘潮流
巻数 : 5~12巻(計8巻)
連載期間 : 週刊少年ジャンプ 1987年47号~1989年15号

第3部 スターダスト・クルセイダース
巻数 : 12~28巻(計17巻)
連載期間 : 週刊少年ジャンプ 1989年16号~1992年19号

第4部 ダイヤモンドは砕けない
巻数 : 29~47巻(計19巻)
連載期間 : 週刊少年ジャンプ 1992年20号~1995年51号

第5部 黄金の風
巻数 : 47~63巻(計17巻)
連載期間 : 週刊少年ジャンプ 1995年52号~1999年17号

第6部 ストーンオーシャン
巻数 : 64~80巻(計17巻)
連載期間 : 週刊少年ジャンプ 2000年1/2号~2003年19号

第7部 スティール・ボール・ラン
巻数 : 01巻~以下続刊
連載期間 : 
週刊少年ジャンプ 2004年8~47号
青マルジャンプ 2004年4月号 番外編掲載
ウルトラジャンプ 2005年4月号~

1 件のコメント:

坪井野球 さんのコメント...

アイデアなのだからもっと淡々とひかえめに書けばいいのにね、と今は思う。
この時は想定していた読み手の範囲が狭かった。