2010年11月15日月曜日

タランティーノ『イングロリアス・バスターズ』についての覚書02

 タランティーノ『イングロリアス・バスターズ』観る。二周目。自分は『キル・ビル』に引き続き現代アメリカ論としてこの映画を受け取った。ハンス・ランダ大佐が「2回」ヒロインのショシャナを見逃していることに気づく。町山智浩が、ランダ役のヴァルツにインタビューで、彼がショシャナを


 …見逃したのは何故か? と聞いている。この質問は非常に優れていると思う。映画は勿論、歴史も文化も全然蓄積のない自分が勘だけで、ひとつ仮説を言ってみる。作中映画『国家の英雄』でスナイパーが立てこもり上方から射殺しまくる「塔」は、「世界貿易センタービル」の暗喩かもしれない。

 タランティーノはビルを爆発させる。正確にいうとビル実物を破壊するのではなくて、ビルについて語る(プロパガンダ)映画をぶっ壊す。ぼくは『キル・ビル』シリーズも、文字通り「ビル」を殺す映画だと思っている。罪人が服を着替えて市民に成りすますというモチーフもPF〔Pulp Fiction〕、KB〔Kill Bill〕、IB〔Inglourious Basterds〕と成長してる。


(2010.10.24)
webDICEの日記より抜粋して転載
http://www.webdice.jp/diary/detail/4883/

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