しかしそれでも国家権力は空中にうかんでいるのではない。ボナパルトは一階級を、しかもフランス社会のもっとも数の多い階級、分割地農民(Parzollenbaur)を代表している。
ブルボン家が大土地所有の王朝であるように、またオルレアン家が貨幣の王朝であるように、ボナパルト家は農民すなわちフランス国民大衆の王朝である。ブルジョア議会にひれふすボナパルトではなく、ブルジョア議会を追散らすボナパルトこそ、農民がえらんだ意中の人であった。(中略)
分割地農民は、ぼう大な大衆をなし、その成員はおなじ情況のなかでくらしているが、それでいてたがいに何重もの関係でむすばれるということがない。かれらの生産方法は、かれらをたがいにむすびつけるかわりに、たがいに孤立させる。
(マルクス『ルイ・ボナパルトのブリューメル十八日』伊藤新一・北条元一訳)
(マルクス『ルイ・ボナパルトのブリューメル十八日』伊藤新一・北条元一訳)
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