2012年2月15日水曜日

引用ノック0366:よくて三分の一くらい

ここは飲み屋もほとんどない。ビニールに入れられた生ゴミが並べられている薄暗い通りで、人通りもほとんどない。ときどき酔ったカップルが抱き合ったり、キスをしている場所である。この裏通りを歩きながら鈴木氏はこう言った。
「佐藤さん、今日はほんとうに済まなかった。不愉快な思いをさせて」
「何をおっしゃいますか。まったく気にしていません」
(中略)
「佐藤さん、今日はほんとうに済まなかった。俺に今後何かあったとき、あんた、あそこにいた連中のなかで何人が残ると思うか」
「半分くらいでしょうか」
「そうじゃない。よくて三分の一くらいだろう。いや、三分の一も残らないかもしれない。威勢のいい奴ほど残らないと思う」

(佐藤優『インテリジェンス人間論』「鈴木宗男の哀しみ」)

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