2011年8月26日金曜日

引用ノック0232:あたらしい差別を原発が生んだ

(前略) ただね、俺はずっとそんなことを考えてきたんだけど、じゃあ原発って一体なんなのか、気づいたことがあるんです。あれは、差別の象徴なんだと思う。それ以外のなんでもない。原発があるってことで、新しい差別が生まれてしまったんだ。推進派か、反対派かって。もし原発がなかったら、こんなものは無かった。今まで仲良かった隣の奥さん、今まで仲良かった友達の家族、今まで仲良かった八百屋の親父…、でももう反対派、反対じゃない派で、みんな割れちゃった。
(中略)
 推進派の人も、反対派の人も、どうぞ相手を差別してください、だけどそいつも同じ人間だよ。原発が好きか、嫌いかだけ。それだけでお前は人間を差別するんだね、ってだけ。

(真木蔵人「蔵人独白(くろうどのひとりごと)」第六十五回「ユナイト」 『BUBKA』2011年9月号掲載)

0 件のコメント: