2011年6月6日月曜日

引用ノック0183:グリゴーリイの愛読書

マルファの気づいたところによると、あのとき墓場から帰るとすぐ、彼[老僕グリゴーリイ]はおもに『神様に関係のあること』を研究するようになり、『殉教者伝』など読み耽り始めた。(……)ヨブ記を好んで読んだが、またどこからか『聖き父イーサク・シーリン』の箴言や教訓の書き抜きを手に入れて、ほとんど何一つわからぬくせに、長年のあいだ辛抱づよく読み返すのであった。

(ドストエーフスキイ『カラマーゾフの兄弟(一)』米川正夫訳 岩波文庫 「第三篇 淫蕩なる人々」「第一 下男部屋にて」より)

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