与八はしきりなく独言(ひとりごと)をつづけましたが、この時また地蔵様を振返って、
「まあいいや、大先生の分も若先生の分もおらが分も一緒に、このお地蔵様に信心をしておくべえ……」
独言が途絶(とだ)えて、馬のポクポクと歩く音が林の中へひっそりと響いて行く。
ややあって与八はまた独言です。
(中里介山『大菩薩峠』「甲源一刀流の巻」 青空文庫
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