2016年10月1日土曜日

引用ノック0904:

「老三、さようなら、ぼくらはもう会えないかもしれないね」
 私はそういうと、胸のなかがなぜか急にかきむしられ、両眼が霧の日のようにぼおっとなってきた。(……)
 その日の夜、海上には、眉のような新月がかかっていた。私は大勢の言葉の通じない南方の人々にまじって、船中でタバコをすっていた。(後略)
(一九二七年一月十日上海にて)

(郁達夫(ユーターフー)「過去」 岡崎俊夫訳 『現代中国文学 6 郁達夫・曹禺』 河出書房新社 1971年)

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