でも「三国志」というのは、結局は男の夢が潰えていく、すべての夢が潰えていく。すべて、誰も勝利しない。誰も勝つことはない。そういう小説だったんですよ。(……)
そういうものは、僕が書いているハードボイルド小説で、ずっと書いてきたものなんですよ。それをもっと明確に、鮮やかに書くことができたのが「三国志」だったと思いますね。僕は、「三国志」が、ハードボイルド小説でもあると思っています。
(北方謙三監修『三国志読本 北方三国志別巻』「第一章 北方謙三インタビュー──三国志に想うこと」 ハルキ文庫、2002年)
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