なかなか感想をいいづらい。深く突き刺さったからというのもあるだろう。
限られた予算、役者等の条件のもとで、映画は魂だ気概だ、と叩きつけるような熱量。と、それを裏付けるバス横転。運転席に渡瀬恒彦、確認至難な後部座席に片桐竜次、川谷拓三チーム。タイトルバック時の別車横転の反復だが、意味合いは更新されている。
バスの一方通行性や降車不能な状況から、縮図というか変則的な箱庭ものにもなっていると受けられる。
(場末感とない交ぜな連帯感覚は、『ウルフ・オブ・ウォールストリート』のしょぼくれたアメリカにもあった。)
ラストがあざやかかつどん詰まりで、限定された条件下における乗り物の行く末が物語の鍵を握るという点や、犯人サイドの心情描写に軸足が置かれている点などにおいて、構造が似ている大作『新幹線大爆破』のほうも、やはり終わりは閉塞感とやるせなさが支配している。本作ではバイクの彼女が自然的のあかるさで中和している部分もあるが、カラッとした絶望のようなものが……とにかく見ればわかります。
事前情報なしでフラっと入った映画館でみたようなひとは、異様な興奮につつまれたのだろう。
0 件のコメント:
コメントを投稿