2014年12月20日土曜日

引用ノック0680: 内小苦

(前略)これは事実の報告ではない。体験記だ。ここに語られるのは、何百万人が何百万通りに味わった経験、生身の体験者の立場にたって「内側から見た」強制収容所である。だから、壮大な地獄絵図は描かれない。(中略)そうではなく、わたしはおびただしい小さな苦しみを描写しようと思う。強制収容所の日常はごくふつうの被収容者の魂にどのように映ったかを問おうと思うのだ。

(ヴィクトール・E・フランクル『夜と霧』「心理学者、強制収容所を体験する」池田香代子訳)

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