そして 雨宮は知っていた
──屈辱が勝利への執念と変わり
憎しみは敗北への恐怖と変わる
だから雨宮はあえて
屈辱を胸に刻んだ
(カチャ)
時は過ぎていく
止むこともなく
止むことを許されず
──確実に万人の前を通り過ぎていく
(中略)
(ガガガ)
(ガガガガ)
(ブィーーーーン)
「屈服?」
「わ わしが 三上に屈服する……!?」
「──確かに 今 全ての流れが三上を中心に動いている!」
「し しかし わしが三上に屈服!?」
「…………屈服!?」
(かちゃ)
(能條純一『哭きの竜』「艱苦の章」)
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