2011年3月14日月曜日

引用ノック0128:

「お前は、よく……あんなことを面白オカしく話せるな」
「えっ?」
突然、鬼が口を開いたのでビックリするオレ。
「俺は……俺は、何をやっても薄くならねえわ」
「えっ……な、何が?」
「…………」
答えはなかったが、この時の奴は確かに”答えようとしていた”。が、いくら耳を澄まし続けても、聞こえてくるのは波の音だけだった。

(ゲッツ板谷『メタボロ』)

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