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小林秀雄は、芸術と批評の問題に関して最も簡潔に語った批評家だった。彼が言ったのはただ次の三つのことである。
「作品」はあらゆる批評の原因であるということ。芸術の人間を感動させる力は決して分析し尽くせないということ。そして、批評は結局は自分の夢を語る以外のことができないということ。
初期の小林の批評を通読すれば、彼がこの三つの考えを繰り返しさまざまなかたちで言い換えていることがわかる。しかし、この簡潔な考えの背後には、幾度も反芻(はんすう)され、練りあげられ、確かめられた。非常に徹底した言語と表現についての理論が封じられているのである。
たとえばつぎのような考察を見よう。
(後略)
(竹田青嗣『世界という背理』 講談社学術文庫、1996年 |太字部分、原文では傍点)
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