三八四
コンビニで夕刊がないことを確認したあと、(色気のない所用で寄った)宿泊施設で、新聞を読む。天皇誕生日ということで、関連の記事が載っていた。久々に読むと、様変わりしている。その場では色々悪態をついたが、憂いことだ。
『天才投手』下巻読む終える。なんともいえない絶妙なラスト。やや遠い所もあるが、小説『日はまた昇る』に少し似ている読後感。飛騨のはもっと前向きだが、なんとなくかなしいのは双方共通。いい小説だった。獅子文六がいいと言っていた男がいたが、いい作家は無数にいるんだろう。
(小説は速読してもしょうがないだろう、と思っているようなところがある。SFや推理小説、ほか例外のものはあるだろうけど、叙情に寄ったものは特に読むスピードによって全然受け取るものが違うだろう。また、補助線を引かないとちんぷんかんぷんのものも、古典に多い。『ユリシーズ』くらいわかりやすく難解だと「わからなかったことがわかる」けれど。しかしかつてはドストの『白痴』を2週間で三回読んで文庫のカバーが擦り切れる、というようなことがあったワケで、結局は情熱やエネルギーなんだろうし、今はそういう対象を見失っている期間であることは違いない。──能書きここまでだ。)
割愛するが異常に疲弊する夜だった。中途までうまくいっていたのだが、自分を含めて人間はままならない。不安や疑念との局地戦は偏在しとるわけで、各自それぞれのパレードを頑張るしか。
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