2015年6月21日日曜日

引用ノック0745:

 正式に監督の辞令が出る前年に、わたしは大宅壮一の監修で、ドキュメンタリー作家の野田真吉と『これがベトナム戦争だ』という作品を共同演出した。(中略)
 しかし、何よりもその映画を編集していてショックだったのは米海兵隊員がベトコンを、物体を撃つようにして路上で射殺するショットだった。この場面のスティール写真はいまだに捨てられないで保存している。今後、東映の劇映画で暴力シーンを撮る場合、このようにリアルに処理するのでないとしたら、フィクションとしてまるでダンス・シーンを撮るように表現するしかないなと、わたしは思い定めた。この映像を見た北野武監督は村上隆との対談でさすがに的確な発言をしている。

 自分の暴力映画も、あのテイストだと思ってるのね。痛さを感じる前に終わって、見終わった後にものすごい痛さを感じ始めて、空白になるっていうか。それをさ、よくあるじゃない。「お前を撃つぞ」「前から恨んでた」とかなんかくだらねぇこと言いながら、グダグダやってんのは、よく恥ずかしくねぇなっていうか、もうバカかって感じだよね。
 いきなり来て、ドンと撃つ。おいらの中では、ベトナム戦争の映像を見たときから、あれが基本になってる。(ビートたけし・村上隆『ツーアート』 光文社知恵の森文庫、二〇〇八年) 

(内藤誠「東京ローカルとしての「女性アクション」」 四方田犬彦・鷲谷花編『戦う女たち 日本映画の女性アクション』 作品社、2009年)
 
 

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