2014年6月23日月曜日

引用ノック0625:処刑

こうして、それを飲むと、受刑者は(私は受刑者と考えていたのだ)十のうち九つは死ぬというような化学薬品の組合わせを、見つけることもできるように思われた。受刑者はそのことを知っている。それが条件なのだ。よく考えて、事を冷静にながめると、あの斬首装置において不都合な点は、それにはチャンスがないこと、正しく絶対にないことだ、ということがわかった。

(カミュ『異邦人』清水徹訳)

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