『イノチガケ|信長』(講談社文芸文庫)の最後に収録されている坂口三千代「著者に代わって読者へ」に、
獅子文六が三千代夫人の著作を読んでいたこと、加えて葉書で「自然に生きなさい」と氏から云われたことを知った。
(「信長」は尻切れトンボだけどいい小説というか、凄みがあった。芸術的完成度云々の問題はあるんだろうけど、日本人の(純文学系)作家で、まともな長篇を書ける作家ってすぐには思いつかないし。十九世紀の小説が大長編だらけなのも、時代の要請に答えた部分もあるから、その一部はむしろ推理小説、SF小説を含む──広義の──娯楽・エンタメ小説に受け継がれていると考えるのが吉かも。あとは優れていてもタコツボな感じで、専門家以外は費用対効果・時間対効果が低すぎる。し、単純に現代日本の純文学畑のひとたちに案外勤勉な読書家が少ないと見ている。読んでるジャンルが偏りすぎて、且つそれを正当化しているというか。)
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