2012年2月17日金曜日

引用ノック0368:遺体(携帯)

(和合)
(……)避難所に毎日毎日、行方不明の自分の旦那さんが見つからなかったかと消息を聞きにくるおばあさんがいたそうなんですよ。いつも消息の名簿を見て旦那さんの名前がないのを確認しては、今日も見つからなかった、次の日も見つからなかった、とがっかりして帰っていった。だが、あるときにすごく明るい表情をしていた。いつもおばあさんと接している人が「見つかったのかい?」と聞いたら「やっと見つかったんだ」と言う。それは亡くなって見つかったということなんですけども、亡くなった遺体が見つかったことについてなんとなく明るい表情になったというんですよね。
(『震災から考える』「第一章 和合亮一×東浩紀 福島から考える言葉の力」)

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