2018年12月17日月曜日

引用ノック0983:

騒々(そうぞう)しい。下宿の五倍ぐらいやかましい。うとうとしたら清(きよ)の夢(ゆめ)を見た。清が越後(えちご)の笹飴(ささあめ)を笹ぐるみ、むしゃむしゃ食っている。笹は毒だからよしたらよかろうと云うと、いえこの笹がお薬でございますと云って旨そうに食っている。おれがあきれ返って大きな口を開いてハハハハと笑ったら眼が覚めた。下女が雨戸を明けている。相変らず空の底が突(つ)き抜(ぬ)けたような天気だ。

(夏目漱石『坊っちゃん』 明治39年(1906年))

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