2015年9月2日水曜日

引用ノック0759:34-a

三四郎は此処(ここ)まで来て、更に悄然(しょげ)てしまった。何処の馬の骨だか分らないものに、頭の上がらない位打(どや)された様な気がした。ベーコンの二十三頁に対しても甚だ申訳がない位に感じた。
どうも、ああ狼狽(ろうばい)しちゃ駄目だ。学問も大学生もあったものじゃない。甚だ人格に関係してくる。もう少しは仕様があったろう。(後略)

(夏目漱石『三四郎』新潮文庫、1986年改版)

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