2014年8月10日日曜日

引用ノック0644:Also sprach Lermontov

 へぼ詩人でも特権があるとうぬぼれているし、立派な詩人になると実際にそれがあるだろうが、とかく作者はその特権をふりまわし、自分の苦悩を歌って我々を退屈させるので、ついには多少マシな作者に向かってさえ、
 「お前が悩んだか悩まなかったかは、我々の知ったことではない!」
と、厭でも言いたくなる。

(ツルゲーネフ「ファウスト論」河野与一訳 岩波文庫『ハムレットとドン・キホーテ 他二篇』所収)
[「お前が~」は、レールモントフの詩からの引用]

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