『オデュッセイア』の最終章は、収まりが悪い、蛇足だ、とみる向きも多いようだ。
原典を読んでどう感想を抱くだろうかな。
> いずれにせよ、負けた側の目を通して語られる大惨劇というのも興味深い。アンピメドンに言わせると、かわいそうに彼らはただペネペロイアと結婚して平和で豊かな島イオケを治めたかっただけなのだ。許し難い行ないをしたのは悪漢オデュッセウスのほうで、彼こそがみんなをペテンにかけ卑劣な方法で大虐殺を行った悪者、ということになるわけだ。(中略)
そのころ、イタケでは大変な騒ぎになっていた。大虐殺のニュースは今や町中だけではなく遠く郊外までも行き渡っていた。殺された者たちの親族たちは大混乱に陥っていた。
(ルチャーノ•デ•クレシェンツォ『『オデュッセイア』を楽しく読む』「第二十四歌 ラエルテス」草皆伸子訳)
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