〈(……)世の中は猫の目玉の様にぐるぐる廻転している。僅か数カ月のうちに往生するのも出来る。月給を棒に振るのも出来る。暮も過ぎ正月も過ぎ、花も散って、また若葉の時節となった。是からどの位廻転するかわからない、只長えに変らぬものは甕の中の猫の中の瞳だけである。〉(夏目漱石『筑摩全集類聚版夏目漱石全集第十巻』 一九七二年、筑摩書房)
小説が終わった後、作者である自分の立場も短い間に色々変わったけれど甕の中で自分を見つめる猫の瞳はずっとそこにありつづける、ということです。
(大塚英志『手塚治虫が生きていたら電子コミックをどう描いていただろう』)
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