(……)コヨーテが腐肉の臭いを嗅ぎつけて空腹を満たす気にならないよう、土をしっかり踏み固めた。
(中略)
コンシディーンは先を読み進んだ。読んでいるうち、あの若者が自分に力を吹きこんでくれるような気分の昂揚をおぼえた。その記述ぶりは理路整然としていて、書き手の知性がはっきり表れていた。
(中略)
ソール・レスニックは語った。[……]二時間にわたって話した。彼の目は時にはバズに、時には海に向けられた。とりわけおぞましい箇所ではつっかえることもあったが、とにかく一人でしゃべりつづけた。
(中略)
ストンパナートは札束をきちんと揃えなおすと、満足げにながめながら、
「おれがぜんぶ自分のものにしたりはしないと、おまえさん確信できるのか?」
(後略)
(ジェイムズ・エルロイ『ビッグ・ノーウェア』 二宮磬訳 文春文庫、1998年)
0 件のコメント:
コメントを投稿