「…………」
「[……]──青髭は、なにがなんでも、自分も一緒に死ぬことになったとしても、ジャンヌ・ダルクを見捨てるべきじゃなかった。奴は結局は悪党だった。そして俺も悪党だ。が、そんな悪人でも、自分の心を救ってくれるひとと出会えることもあるんだ。悪には悪の救世主が必要で、そして──悪党こそ、それを絶対に裏切ってはいけないんだ、俺はそう思っている──」
淡々と語りながら、健太郎は綺のことを見つめ続けている。(後略)
(上遠野浩平『ヴァルプルギスの後悔 Fire 1.』「chapter two 〈devotion〉
0 件のコメント:
コメントを投稿