「ウリーは妙なやつです。」と、ヨーニーがいいました。「彼はあいかわらずクラスでいちばんちびですが、まえとはすっかり変わりました。マチアスはまったく彼におさえられています。ぼくたちもだいたいおなじようなぐあいです。ウリーはなるほどいつまでも小さいけれど、彼のうちには、だれもさからうことのできない力がひそんでいます。ウリーはそうするつもりはないんですけれど、彼にじっと見られると、もういけないんです。」
「ウリーはあのとき自分自身に打ち勝ったんです。」と船長がしんけんにいいました。「そうなりゃ、ほかのことはすべて小さなことです。」
(ケストナー『飛ぶ教室 ケストナー少年文学全集 4』高橋健二訳)
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