2014年3月29日土曜日

引用ノック0587:

この平凡な住宅街でも、いろいろな事件がおこっている。生きることの悩みと、生きることのむずかしさ。事件はおこっても、みんな気を合わせて、一日も早くそれを忘れようとしているらしい。或(ある)いは忘れたふりをしているのか。(中略)
赤っ毛で、色の白い、すこし下がり眼の、そばかすの多い娘だった。(……)彼は一つの可能性を取り逃がしたと思っていた。

(石川達三『青春の蹉跌』)

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