2012年9月6日木曜日

引用ノック0445:シンセミアとファンク・ミュージック


 何にせよ、反復構造そのものが非常に僕の身体的なリズムに合っているのはたしかですね。僕はプリンスが好きじゃないですか()。プリンスっていうのはファンク・ミュージシャンでもあるわけですよね。ファンクっていう音楽の構造が単純な反復でできているわけで、反復の持続感に聴き手はハマっていくわけですね。『シンセミア』も同様の構造で展開していくような作品にしたいと考えたんですよ。()ああいう反復の持続感と、次第に構成要素が増えていって盛り上がって最後にドカーンとなって終わるっていうような、そういう小説にしたかったんです。

(「阿部和重ロング・インタヴュー〔A面〕『シンセミア』ガイド──メイキング・オブ・「神町」」『文藝 2004 夏号』河出書房新社)

0 件のコメント: