2011年7月27日水曜日

引用ノック0212:僕たちの告白

 「ねえ、カラマーゾフさん、僕たちの告白はちょうど恋の打ち明けに似ていますね。」とコーリャは妙に弱々しい羞恥を含んだ声でいった。「それは滑稽じゃないでしょうか、滑稽じゃないでしょうか?」
「ちっとも滑稽じゃありませんよ。それに、よしんば滑稽でも構やしませんよ。それはいいことですものね。」とアリョーシャは晴々しく微笑した。

(ドストエーフスキイ『カラマーゾフの兄弟(三)』米川正夫訳、岩波文庫)

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